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「人間と動物の病気を一緒にみる」

久々に真面目な記事を。

最近読んだ本。
「人間と動物の病気を一緒にみる」バーバラ・N・ホロウィッツ、キャスリン・バウアーズ

新刊の本を見てたら興味をそそられたので買って読みました。

書いている人は心臓の専門の医師の方。
動物園でのエンペラータマリン(小さな霊長類)の心不全の治療に呼ばれたことがきっかけで、
”医学×獣医学=汎動物学” という分野を提唱しています。

読んでいて驚いたのは、人間がかかる病気のうち、「これは人間ならではだろう。」と思っていたような、
例えば、恐怖による心不全、摂食障害、薬物依存、自傷行為、性的なむにゃむにゃ、にいたるまで、
ほとんどの病気が、動物も同じようなものにかかるということでした。

人間と動物の境界線について、だいぶ、認識を改めさせられました。

特に、人間は思考があるからかかるのだろうと思っていたような精神疾患の類いの話は興味深く、
大分に「本能的」な側面の強い病であるということがわかりました。



読んでいて、自分がパニック障害をもっていることから、勝手に納得したことを書きます。
(わたしの勝手な理解が入っているので、事実と相違するかもしれません、気になった方は原典をあたってください。)

<捕獲と拘束>
パニック障害の人にとって、最も苦手な状況って、
「何かあってもここから逃げられない!」という恐怖ではないでしょうか。
わたしはそうです。

これって、元をたどると獣医学の世界でいう「捕獲性筋障害」というモノと似ていると感じました。

「捕獲性筋障害」というのは、動物が捕獲されたときに、恐怖によって引き起こされる障害で、
捕獲数全体の1〜10%、種によっては50%の確率で死亡するそうです。

捕獲された、というだけで!?
かなりびっくりです。

この本によると、捕獲・拘束はイコール自分が今にも食べられることを意味し、
脳はそのための準備として、大量のカテコールアミンという物質を分泌し、それによって最終的に腎不全をおこすそうです。
さらにこの障害は、花火や音楽の大音量でも起こるそうです。

人間の場合も、同様の生理学的変化が引き起こされる場合もあると書いてあります。
たとえば、乗っている飛行機がエアポケットに入り急降下するような場合、同じようにカテコールアミンがどっと分泌されるそうです。
そうなると、つかまった動物が激しく動揺したときと同じ生理学的な状況になっているといいます。

人間の場合は、この疾患には「たこつぼ心筋症」という名前がついているようですが、
動物の場合と同じように、強い恐怖を体験したときに、死んでしまうということがあるそうです。
(現在の医学的には動物と人間で線引きがされていて、同じ疾患とはされていませんがこの筆者は共通のものであると言っています。)


つまり、わたしは思った。

パニック障害は、最近では「脳の機能障害」と言われているけれど、その機能障害の
根底にあるのは、この「捕獲・拘束」に対する本能的な恐怖なのでは!?

パニック障害になる人というのは、本能・直観に優れていて、「危険」を察知しやすい。
でも、実際のところ現代社会では命に関わる危険なんて、そうそうないものだから、
その直観能力が空回りしているんじゃないかなぁ。

パニック障害の人に、発作で「死ぬわけじゃない」って、よく言うけれど、
わたしたちのDNAは、小さな動物からの記憶を引き継いでいるわけだから、
捕獲・拘束による恐怖で「死ぬ」という事実が刻み込まれていて、
だから、「死ぬかもしれない」恐怖を感じるのは、本当に「死ぬかもしれない」からなのかも。

でも・・・!そこはわたしたちは、人間です!
動物だったら、捕獲されたら捕食者に食われて死ぬかもしれない、だから自ら命を絶つ、
けれど、わたしたちは、実際に電車なんかで拘束されても、まず「死なない。」

だから、思考力でDNAに勝てるはず。

と思うのです。


なんだか言ってることがごちゃごちゃしてきました。
パニック障害についての部分は、わたしの超勝手な理解なので、全然科学的じゃないです。


おわります。汗


コメント

[C420] ヽ(´_`)ノ

人間って、野生から引き離されて、随分と時が
経った反面、体と脳(本能)は、野生の部分が
随分と残ってるので、文明社会で野生とは異な
る現象に見舞われても、脳内が野生だったとき
の「危険」をホルモンで発令しちゃうのでぇ、
ストレスホルモンが体の生理機能を低下させ
たり、不安や恐怖心だけが必要以上に高まった
りしちゃう・・ッスね(;´Д`) そのズレを、
上手く脳内で処理できる人と、そーでない人
とに分かれてるよーで、大方は出来るけど、
上手く行かないのが、いわゆるPDや鬱って
コトになってるッスね(´_`)

「confinement(幽閉・制限)」はぁ、動物
行動学でも、最もストレスのかかるキーワード
として扱われるのでぇ、人間も例外じゃない
・・ッスね(;´Д`)
  • 2014-03-03 22:16
  • ひろぴー
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  • 編集

[C421] Re: ヽ(´_`)ノ

ひろぴーさん

なるほどなるほど、しくみは理解できても、もしそうだとしたら、
じゃあそれをどうやったらうまくいくように修正できるのか、というのが、治療する立場の課題かもしれないですね。
誰もに当てはまる治療方法はないのかもだけれど。。
本能に鍵があるのだとしたら、何かあるような気がしないでもない。。

人間も動物なんだということを、再認識しました。
  • 2014-03-04 00:09
  • ねこかもめ
  • URL
  • 編集

[C422]

本能を理性で抑えればパニック障害を克服できるかもしれないって事ですかね?それは新たな考え方ですね^^;なるほど

でも理性をつよくしすぎてもストレスたまりそう…

そこらへんを上手くコントロールしようってとこでしょうか?すみません思慮が浅いのが見え見えですね^^;

[C423] Re: タイトルなし

わっちゃん

そう、簡単に言えばそういう考えなのですけど、
言う程に簡単ではないんですよね。

「大丈夫、大丈夫」っていくら頭ではわかっていても、身体が拒否反応(発作)を起こしてしまうことが多々あるのです。
だから、どうしても、脳内の伝達物質を調整するような作用のある薬に頼ってしまっているわけですけれど。
これは対処療法にしかならなくて、どうも正しい気がしない。
ぼんやり思うに、もっと本能に訴えてズバーン!と治せるような画期的な方法はないのかな、なんて。
大脳辺縁系が関係しているらしいんですけどね・・・。

動物と人間で根が同じものなら、獣医学科でもこういう研究できるのかなぁ。
あーー日獣で、こういうのやってるんだよなぁ。。。思い返すと悔しいぜ!(><) 
まぁ、研究に入るとしたら卒業後だし、まずは6年頑張らなきゃ、ですね。

勝手に長くなってしまいました。笑

わっちゃんも、医学部行くと思うので、こういう病気もあるってこと、頭の片隅にでも入れておいてくださると、われらは嬉しいだす◎

  • 2014-03-05 12:31
  • ねこかもめ
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